2017年10月に読んだ本。

 ブログをうまく使えていないので、先月読んだ本の簡単な感想を書くことにします。

よしもとばなな『王国〈その3〉ひみつの花園』(新潮文庫

 王国3作目。1,2を面白く読んだので、そのいきおいで読む。山から下りてきた雫石がどんどん成長するのを見守るのが楽しかった。人間の関係のこまかなところは文字にできないんじゃないかと思うけれども、いつもよしもとばなな先生はうまく文章にされていて、しっくりくる感じがある。

東直子『薬屋のタバサ』(新潮文庫

 ご本人にサインをいただいた際に、『とりつくしま』とは全く雰囲気が違うと聞いていたが、本当に違った。じぶんのいる場所がどこかわからない不安定なところで起こるリアルなものごと。また不安になるけれども隠されるなにか。最初の方の聞き間違い? のところが、リアルで言葉っておもしろいと思った。

沼田まほかるユリゴコロ』(双葉文庫

 映画のエキストラに家族と出て、映画館に上映を観に行ったところ、序盤のグロに耐えきれず、母と途中で映画館を出てしまったので、読んだ。エキストラとしてはばっちり映っているのを確認できた!

 ぞくぞくしながらも先の展開が気になり一気読みできた。

小川洋子『シュガータイム』(中公文庫)

 大好き小川洋子。お風呂で読んでいた。主人公と吉田さんの不思議な安らいだ関係が好きだったのだけれども・・・・・・ 全体としては好きな話だった。大学生っぽさ。解説が林真理子で、ふむふむと思った。

よしもとばなな『デッドエンドの思い出』(文春文庫)

 家やお風呂、けだるく公園のベンチで読んだりもした。ここ最近よしもとばなな作品を集中して読んでいたけれども、けっこうこの作品は現実世界で誰もが大変だ・・・・・・ と思うような事件について書いていて、でもそのなかでばなな節が効いているような作品たちで、あらためてよしもとばなないいな、と思った。

池田澄子池田澄子句集』(現代俳句文庫)

 ずっとまえからちみちみ読んでいて、やっと読み終わった。生きるの大好き冬のはじめが春に似て、という俳句に惹かれて読み始めたら、期待を上回ってたくさんのすてきな句に出会えた。初めて句集を読んだ。

『文学ムック たべるのがおそい vol.4』

 vol.1からずっと読んでいる。フランスの翻訳作品の「不思議な死(手元にないのでタイトル後ほど確認)」が印象的。宮内さんのも、とても面白かった。SF苦手意識が薄れてきた。いつも自分では手に取らない作品、作家の作品と出会うことができて、刺激的で面白い文学ムック。

萩尾望都ポーの一族』(1)(2)(3)(小学館文庫)

 初めての萩尾望都。ずっと話が続くのかと思ったら、短編短編がつながりを持っているというつくりだった。全部時系列にばしっと整理はまだできていないけれども。海外の伝説の漫画化のように思えてしまうほど、海外の雰囲気に満ちていた。ぜひとも小池修一郎先生による舞台化を・・・・・・!

 初めて読んだ少女漫画は、りぼんの『空色のメロディ』だったのだけれども、なんとなく初めて少女漫画を読んだときのことをほんのり思い出した。