11月に読んだ本

 ブログを動かすと言ったのに全然動かせてない・・・・・・ 

 最近は修論をがんばっています。11月は大学の銀杏がきれいでした。昨年はあまりきれいだということに気がつけなかった。どうしてだろう。

小川洋子『猫を抱いて象と泳ぐ』

 割と長めかなと思ったら、一気に読めた。チェスをめぐる不思議な話。チェスや将棋はルールーもきちんと覚えてないから普段はやらないのだけれども、分かる人には分かる美しさや調和があるのだろうな、とあこがれた。

 最近ブロックスにはまっていて、ブロックスも相手の出方できれいな盤面になることがあるんだよな〜と思ったりもした。

 

魚住陽子『菜飯屋春秋』

 魚住陽子は『水の出会う場所』がとても好きで、この作品もとても好きになった。中年期以降の女の人たちや男の心変わり、老いがご本人のテーマのひとつなのかな? 今まで読んだ作品の中に多く出てくる。

 私は20代で、作中の女の人たちが直面しているあれこれはまだ先なのかもしれない。けれども、今感じている不安がもっと”オトナ”になったら消えると思っているのは間違いで、その不安がちょっとずつ形を変えたり、新たな不安が生じたり、決して不安がなくなるわけではないのだな、と思ってしまう。それが心苦しいわけではなく、これからこういうことで悩みそう、というのがリアルに伝わってくるし、もちろん中年期になる頃には今より強くなる部分があることも分かるし、なんとなく、年を重ねるのが嫌ではなくなるような小説。

 作中で登場人物たちが俳句をつくっているのも面白い。

 

千早茜『人形たちの白昼夢』

 千早茜は『魚神』が宇野亜喜良の表紙や挿絵に合っていて、とても好きだった。

 現代物も読んだけれども、『魚神』のようなおとぎ話や昔話みたいな作品が読みたいなと思っていたら、この本はまさに幻想的な作品が多くて、楽しく読んだ。

 人形、個人的にはちょっと苦手で、レースの甘さみたいな作品ばかりだったら好みに合わないかも・・・・・・ と、慎重に読み始めたけれども、どの作品も甘さやロマンティック、残酷さと明るさや強さの配分がちょうど良くて、本当にシンプルで上等なリボンみたいな本だった。