美人な人に会ったときに思うこと

「○○ちゃん今日もめっちゃかわいい! 超美人〜」

と、ところかまわず毎日友達に言っていた大学時代から早数年・・・・・・ 美人だと思う人と知り合っても、本人や、周囲に「○○さんは美人だと思う」と告げるのをためらうようになった。言いたい気持ちもありつつ、言ってもいいのかな、言わない方がいいのだよな・・・・・・ と思って言わないことが95%くらいである。でも、誰かそれを言う人がいたら同調して言うこともある。あと、俳優さんやアイドルなどについては、ほぼためらいなく言う。

周りに「美人だな、素敵だな」と思う人がいたときに、誰かに言ってもいいのか、心に秘めていた方がいいのか。いろんなことが気になる。全然答えが出ないまま、気になることを書く。

 

美人だと言われて本人がどう思うか問題

周りから「美人!」と言われたら嬉しそうな気もするけれども、ひとえにそうは言えないだろうな、と思う。友人が、「私を紹介するときに、美人でしょ〜 って言い過ぎる人がいて、こちらが恐縮してしまって嫌だ」と言っていたことがあった。美人は常に容姿を褒められて飽き飽きしているかもしれないし、タイミングや発言者など、言われて嬉しいときと嬉しくないときがあるだろうな・・・・・・

また、たとえば仕事などでメディアに取り上げられたなど、なにか本人の業績や才能で目立ったときに、その内容を無視して容姿のことを、たとえ肯定的な言葉でもとやかく言われたらいやな気持ちになるだろうな、とも思う。

ただ、「美人すぎる農科学者としてネプリーグに出て、本を出して売れたい」という知人もいるし、むしろ美人と言われないとちょっと不満だ、みたいなことを言う美人もいる。

容姿のことは一切言われたくないという人もいるだろうし、褒められるのであれば悪くないという人もいるので、やはり「わたしはあなたを美人だと思う」ということを伝えて良いかは、相手とこちらの性格・信条や関係によるのかなと思う。

 

美人と発言することで、美人ではない側が生まれる問題

さきほど、美人の知人の発言を取り上げたが、「美人の知人」がいるということは、「それ(=美人)以外の知人」もいるということになってしまう。女の子はみんなかわいい! という言葉も、嘘ではないし信じていたいけれども、友人同士で「あの子、美人だよね〜」という話をすると、美人ではない私、わたしたちを感じざるを得ない。たとえば複数人でご飯を食べているときなど、AさんがBさんを美人だと言ったとき、それ以外のCさん、Dさんに美人と言わなければ、美人のBさん、とそれ以外のCさん、Dさんとならないだろうか。それを考えると、大学時代の私は、美人と思った友人に「今日も美人!」と伝えていたけれども、それを見ている周りの友達にはそうではない、と言っているようなものなので、本当に悪いことをしたと思う。また自分がそのように美人でないサイドに自動的に振り分けられることも多々あった。というか、今もある。私は美人でないからそのように扱われても平気だと思いつつ、この問題を考えるにつれて、そのようなときは今も昔も一抹の悲しみを感じていたように思う。美人でないからしかたない、で片付けていいとはあまり思えない。

 

とはいえ美人と言われたら私は嬉しく思うけれども・・・・・・ 問題

これまで美人と思った人に美人と口にするのはちょっと難しいのでは? といった調子で書いてきたけれども、個人的には美人と言われたらとても嬉しいと思う。私の顔は美人ではないのだけれども、お世辞でもなんでも、「美人」と言われると、やっぱりうれしい。かわいいと言われるのも同じくうれしい。なので、一概に容姿を褒めることがなくなってしまうのは、ちょっと寂しいけれども、言われるか言われないかで一喜一憂しなくていいのだから、容姿に対して何も言わないのも平和かも?

あと、いくら容姿を褒められるのは嬉しくても、セクハラっぽい調子で言われると嫌だと思うし、そもそも私が容姿を褒められること自体が珍しいからうれしいのであって、それが日常茶飯事の美人にとってはうっとうしいだけなのでは? とも思う。

そもそも容姿を褒められるとうれしいのはなぜ? も課題。

 

そもそも「美人」という言葉が重すぎない? 

ここまで考えてきて、そもそも「美人」という言葉が重すぎない? と思った。たとえばファッションやメイク、髪型、持ち物などを褒めるのはかなり抵抗感が少ないと思う。それはファッションや持ち物などを通してそれを選んだその人の「センス」という容姿ではない部分を褒めているからかもしれない。一歩進んで、お肌が綺麗、髪がつやつや、スタイルがいい、まゆげの形がかっこいい・・・・・・ などの身体のパーツも抵抗感少なく褒められると私は思う。でも、「美人」となると・・・・・・。顔が周りに与える情報が他パーツに比べて大きすぎるからなのだろうか、うーん。そもそも美人という概念が曖昧かつ意味が強すぎるのだろうか。

 

おわらないおわりに

いろいろ考えて、結局答えが出ないし、そもそも容姿を「褒める」という行為自体が上から目線が入っているのでは、など考えてしまう。でも本当にただただ素敵、綺麗だと思うことがあり、それは止められないと思う。別にテレビでも、ネットでも、居酒屋でも美人が褒められていてもなんとも思わない。ちょっとうらやましいなと思うくらい。

私は、今後もとりあえず、この人、美人! と思った人で、過去に言ったことがある人だったら二人のときに(大丈夫そうなら)言う、言ったことがない人なら言わない、どうしても言いたいときはその人と関わりが無い、信頼の置ける人との会話で言う、などしようかなと思う。あと、やはり「美人」という言葉が重すぎるので、「かわいい」とか「綺麗な感じの人」とかぼかして言おうかなと思う。

ここに書いたことで、この視点が抜けている、これは差別的だ、みたいなところがきっとあると思うので、もしここまで読まれた方で、お気づきの点ありましたら教えてください。